HITOSHI MORIMOTO

PROFILE

森本 仁 Hitoshi Morimoto

1976岡山県備前市に生まれる
1999東京造形大学彫刻科卒業後、美濃・豊場惺也氏に師事
2003備前市にて制作を始める
2011~各地にて個展、グループ展に参加

薪窯による焼き締めの備前焼、備前土を白く焼き締めた白花(しらはな)、
釉薬を施した灰釉、黒釉、黄瀬戸、粉引などの器を制作しています。

STORIES

自分が制作する上で、最もインスピレーションを受けるのは日々の営みからです。
アトリエの周りの季節の移ろい、春の芽吹きや冬の雪化粧、様々な植物や虫たち、そういう自然の気配。
1日の中でふと目にする美しい陰影、また日々の食事やお茶の時間。
そういったもの1つひとつが自身にとっては不可欠です。
それら全てを自分というフィルターを通して作品に変換する事が僕にとってのクリエーションになります。

自分には2つのルーツがあります。
ひとつは備前焼を家業とする家に生まれ、育った備前。
もうひとつは大学卒業後内弟子としてお世話になった岐阜(美濃)での生活です。

備前焼は須恵器を源流とした日本の伝統的な焼き締め陶です。
陶芸家である父(森本英助)が半世紀前に築窯した半地下式の登り窯は現在も現役で、作品はこの窯で約一週間かけて焼成します。
また材料となる土は伊部周辺で採土した田土を使用しています。
連綿と繋がる地場の陶器をしっかりと続けていく事も、この地で制作する意義であり使命と感じます。

美濃では師である豊場惺也氏が手掛ける伝統的な美濃焼(志野、黄瀬戸、瀬戸黒など)を学びました。ここでは技術のみならず、陶芸家として生活する上での心構えを身を以て感じることができました。
この時間は現在の自分にとってはかけがえのないものです。
ここで学んだ技術を踏まえ美濃焼にルーツのある釉薬作品も手掛けています。